本とおにぎり。のこと。

本とおにぎり。のこと。

大寒が引き連れてきた大寒波のおかげで、
全国津々浦々、今週の天気はどうやら大荒れのようす。
予報に並ぶ最低気温に、思わず「…まじ?」とつぶやいてます。

おそらくここが寒さの底。

そんな最強寒波の前に開催できた、その名も
「Books and Ricebowls」。
本とおにぎりというまるで無関係なアイテムを並べ、
難しくいえば、コミュニティが生まれる瞬間を楽しんじゃおう
平たくいえば、ノープランですがなんとかなるでしょ
そんな、肩の力が抜けすぎたイベントでした。

だって、
会場は昭和の香りがする理髪店「バーバーみどり」で、
並ぶものは「どこでも BOOK」のたくさんの本だけだし、
売りものといえば「縁側食堂」のおにぎりとおかずだけ。

そんなんで人が来るのかなという心配より
底抜けにゆるくて、あるがままの時間のはじまりに、
なんだかえらくワクワクしながら当日を迎えたのです。

そのワクワクは、いい意味で裏切られました。


…なんでしょう、初っ端からの賑わい。

オープンは10時。
しかし私がバーバーみどりに到着したのは9時50分。
その頃店内では、どこでもBookチームもお掃除の真っ最中。
お弁当を並べる机も、まだ玄関前に置いたままでした。

しかし、気づくと一人またひとり、人が集まってくる。
そして開場の10時をすぎてもまだワタワタやっている私たちに
「このテーブルは中に入れればいい?」
「本はどこに並べる?」
「さつまいもは切ったほうがいいのかな?」
そんな声かけをしながら、まるでスタッフのように会場の
設営を手伝う光景が広がっていたのです。

その、あまりに自然なサポートに、
ただただ驚いてしまった私なのでした。


反射式ストーブの上には、お振る舞い用の焼き芋と焼きリンゴ。
お芋もリンゴも、いろいろな方が持ち寄ってくださったもの。
他にも、唐揚げや芋けんぴなど、たくさんの差し入れが届きました。

実を言うと、ここ「バーバーみどり」でのイベント開催は
昨年の12月が初めて。どこでも Bookの八重樫さんによる
単独開催という形で開いていました。
そこに今回、縁側が「食堂」として参戦。
おにぎりやおかずの移動販売を行わせてもらえることに。

八重樫さんはじめ、私も全く初めてのイベント。
いらっしゃる方々も初めてのはずなのに、
全ての人が、できることを自然に手伝っているという世界。

楽しませてもらいに来るのではなく
自分から楽しいことを見つけていく。

「お客様」や「主催者」という線引きは、ここにはありません。


縁側のお弁当が載っているキルトは、
ご近所の方のお姉さんが、ひと針ひと針刺して作ったもの。
「使ってもらえるのが嬉しいから」と提供いただいたそうです。
このキルトの他にも、たくさんの布小物をお譲りいただいて
会場に来た方にプレゼントしていました。



縁側食堂のおにぎりと、おかずセットも並べていただきました。
並べていただいたばかりか、
値段やおにぎりの中身についての但し書きまで書いてもらったった…


こちらは「おにぎりみくじ」の景品として用意いただいた本。
大吉が出た方には2冊、中吉は1冊自由に持って帰れます。

ちなみに今回のおにぎりみくじは、
大吉/銀杏とクリームチーズ
中吉/カツオたくあんの梅肉和え
吉/塩むすび(海苔付き)

「コメがとにかく美味しい!」
そんな声をいくつもいただき、
5時起きで握った甲斐があった店主です(^^)

そして、思いがけないプレゼントも。


当日午後、ふらりと訪れたのは
チェンソーアーティストのさとうこうさん。
「今日、作ってきました」と言って差し出したのは、
ななななな、なんと!チェンソーアートのおにぎり!!
その場に居合わせた方からも「おお〜〜っ!!」と歓声が。
しかもこれ、縁側食堂にいただいてしまいました!!!

「お礼したいのですが…」という私に
「じゃあ、(縁側の)おにぎりで」とさとうさん。
その場で、昆布と肉味噌をほう貼っていただきましたが
等価交換というには、あまりに小さなおにぎり。

そこではたと気づいた。
ギブアンドテイクの関係を超えた先に広がるコミュニティ。
そんな場作りを、八重樫さんは模索していらっしゃる。


八重樫さんの周りに集まる多くの人々は、
そんな場作りが、これからもっと重要になると気づいている。

縁側にできることは、そんな場作りを応援すること。
そして、縁側もそんな場所になっていくこと。

終了後、八重樫さんたちと、次回の開催について話し合いました。
タイミングが合えば2月末、またここでお会いできそうです。
さらに、その先の楽しいイベントについても。
もうワクワクが止まりません。

何しろ小さな会場ですから、
そんなにたくさんの人が訪れた訳ではありません。
でも、訪れた方一人ひとりがそれぞれの物語を持っていて、
その言葉に耳を傾けるだけでも楽しかった。
新しいイベントのアイデアも頂いちゃいましたしね。
これはぜひ、雫石の縁側で実現したいと思っています。

最後に。
午前中に「おにぎりみくじ」を買いに訪れた
町内会長さんからのご報告。


スカ=具なし。
一部では「むしろ具ありより美味しい」と言われる塩むすび。
2連発とは、持っているとしか思えません。

町内会長さん、
これからもバーバーみどり同様、よろしくお願いします!!

ということで、

次回の「本とおにぎり」も、どうぞお楽しみに!!

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